アズカバンの囚人

□3-5.5 変身術
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「いいですかみなさん。“占い学”というのは魔法の中でも最も不正確な分野の1つです。気にしてはいけません」



マクゴナガルは1人だけ真面目に授業を受けていたユイを褒め、スリザリンに5点加点した。



『私、占いを信じてないわけじゃありません』



ユイが言うと、マクゴナガルは驚いて目を大きくした。



『ただ、予言は真実味があればあるほど軽々しく言ってはいけないものだと思います』


(あの人の予言のせいでリリーやジェームズが死ななきゃいけなくなったのよ……)


『それに、悪い予言を言うからには不安を払拭してあげることが最低限必要なことだと思います』



ネビルにはどうしたらおばあさんが元気になるのか、ハリーにはどうしたら死を防げるのか……。

アドバイスするところまでが占いをするものの仕事だと思う。



『不確かなものだったら、なおさら……』



ユイが言うと、マクゴナガルは「ええ、そうですとも」と感心した。



『それに私、小悪魔目指してますから、あながち間違ってはいないかもですよ!』



悪戯っぽく笑って『覚悟しててねハリー』とウインクをすると、一拍置いて笑いが起こった。

スリザリンからはブーイングがおこり、いっきに教室内がざわつく。



「いいですかみなさん」



マクゴナガルがパンパンと2回手を叩き、注目をひく。



「繰り返しますが、占い学と言うのは不確かなものですから、気にしすぎはよくありません。みなさんモチヅキを見習うべきです。――モチヅキ、あなたの心持はすばらしい。スリザリンにもう5点差し上げましょう」



マクゴナガルは授業を再開したが、それでもチラチラとユイとハリーを見る好奇の目はなくならなかった。



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