秘密の部屋
□2-2 隠れ穴
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「皆さん、おはよう。いい天気ですね」
さわやかな挨拶と共にパーシーが入ってくる。
手編みのタンクトップに止められた監督生バッジが輝いていた。
パーシーはたった一つあいた椅子に座ったが、途端にはじけるように立ち上がり、しりの下からボロボロ毛の抜けた灰色の毛ばたき……に見えた、ふくろうをひっぱりだした。
「エロール!」
ロンがヨレヨレのフクロウをパーシーから引き取り、ハーマイオニーからの手紙の返事を翼の下から取り出した。
――ロン、ハリー(そこにいる?)
お元気ですか。
ユイから話は聞きました。
(ユイってばマルフォイの家に行くって言うのよ、いったいどういうことなの?)
すべてうまくいって、ハリーが無事だったことを願っています。
それに、ロン、あなたが彼を救い出すとき、違法なことをしなかったことを願っています。
私たち、水曜日に新しい教科書を買いにロンドンへ行きます。
ダイアゴン横丁でお会いしませんか?
近況をなるべく早く知らせてね。
ではまた。
ハーマイオニー――
「僕の勘違いであってほしかったのに」
嘆くロンとハリーも同じ気持ちだった。
ダイアゴン横丁でユイに会って直接お礼を言いたかったが、マルフォイがついてくるとなれば話は別だ。
「ちょうどいいわ。私たちも出かけて、あなたたちの分をそろえましょう」
モリーがテーブルを片付けながら言うのを聞きながらハリーとロンは顔を見合わせた。
おそらく同じ事を考えているに違いない。
ユイには会いたい。
だが、マルフォイには絶対に会いたくない。
マルフォイに会わずにユイに会うにはどうしたらいいだろうか……。
2人は同時に頷いた。
→あとがき