秘密の部屋

□2-2 隠れ穴
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(こんな衝撃的なこと忘れるなんておかしいよ)


話題がフクロウやパーシー、ロンの父親に移ってからも衝撃が抜け切れないハリーはそう思ったが、家につくなり飛んできたウィーズリー夫人の怒号のおかげで、ハリーもすっかり忘れることになる。



「ベッドは空っぽ!メモも置いてない!車は消えてる……あなたたち死んでたかもしれない、人に見られたかもしれないのよ!?……まあ、ハリー、いらっしゃい。あなたは悪くないのよ」



急に声色を変えたウィーズリー夫人は、ハリーを食卓へ案内し、朝食作りに取り掛かった。

その間中もずっと3人のことは責め続けた。



「不正使用の車で国中の半分も飛んでくるなんて……誰かに見られてもおかしくないでしょう」

「ママ、曇り空だったよ!」

「ママ、連中はハリーを閉じ込めて餓死させるところだったんだよ!」

「そうだよ鉄格子まではめられてたんだ。ママ、僕らナイトなんだ!」

「お黙り!何を意味の分からないことを言っているんですか!あなたの部屋に鉄格子をつけるところですよロナルド・ウィーズリー」



最後の一言は余計だったなとハリーは肩をすくめて目玉焼きを口に運んだ。

その後アーサー・ウィーズリーが帰ってきて夫人の怒りはアーサーに向くと、ロンはハリーをつれて部屋に戻った。



「ママは怒ってばっかりだし、パパは自分で法律破っちゃってるし、部屋は屋根裏オバケの真下だけど……」



ようこそ我が家へ、というロンにハリーは「こんな素敵な家は生まれて初めてだ」と思いっきりニッコリした。







次の日朝食をとりにロンと1階に下りていくと、アーサーが2人に学校からの手紙を渡した。

少し遅れてやってきたフレッドとジョージにも同じ封筒が手渡される。



「こりゃお高くつくぜ」

「ロックハートの本は何しろ高い」



新学期用の新しい教科書リストを見てフレッドとジョージは声をあげた。

ハリーとロンの手紙と同様、彼らの手紙の中にも“ギルデロイ・ロックハート”の文字が連なっているに違いない。
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