アズカバンの囚人
□3-5.5 変身術
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占い学直後の変身術のクラスで、ハリーは1番後ろの席に座り、ユイは1番前の席に座った。
クラス中がいつ何時ユイがハリーを殺すかわからないといわんばかりに、ハリーをとユイをチラリチラリと盗み見ていた。
なるべくユイがハリーに近づかないようにと警戒しているものもいる。
ユイはまったく気にすることなく授業に集中した。
今日の授業はアニメーガスについてだ。
聞き逃すわけにはいかない。
マクゴナガルが目の前でメガネと同じ形の縞があるトラ猫に変身すると感嘆の息をもらし手を叩いた。
(なんでも好きな動物になれるのかしら?)
ユイが手を挙げると、マクゴナガルはポンという軽い音とともに元の姿に戻り、軽く片手をあげてユイに待つよう示し、クラス中を見回した。
「まったく、今日はみんなどうしたんですか?」
「先生、私たち“占い学”の最初のクラスを受けてきたばかりなんです。それで――」
「ああ、そういうことですか」
ハーマイオニーが手をあげて発言すると、マクゴナガルは顔をしかめた。
「今年はいったい誰が死ぬことになったのですか?」
「僕です」
ハリーが答えると、マクゴナガルはきらりと光る目でハリーをしっかりと見て「わかりました」と言った。
「ではポッター、教えておきましょう。シビル・トレローニーは本校に着任してからというもの、1年に1人の生徒の死を予言してきました。いまだに誰ひとりとして死んではいません。死の前兆を予言するのは、新しいクラスを迎えるときのあの方のお気に入りの流儀です」
「先生、ユイは悪魔だって言われてました」
ロンが恐る恐る言うと、マクゴナガルは「生徒にそんなこと言うだなんて」と憤慨した。
鼻の穴が大きく膨らんでいる。