秘めた想い
□第5Q
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遥が20歳の誕生日を迎え、同棲をはじめた。
無事 大学を卒業、教員免許を取得した遥が仕事にも慣れてきた頃
おやすみ、といつも通り
腕の中で眠りにつく前に
「遥」
『どうしたの?幸男さん』
いつもより真剣な面持ちだからか
少し心配そうにして 遥が頬に手を添えてきた。
「これからも…ずっと一緒にいてほしい」
買っておいた指環を手に取り
白く細い遥の指にはめる。
『幸男さん…待たせちゃってごめんね。』
遥の頬に一筋の涙が
つたった。
落ち込んでしまうことがあっても決して泣いたりはしなかった
遥が初めて見せた涙だった。
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