秘めた想い
□第4Q
1ページ/5ページ
無事、卒業し
志望大学にも合格。
卒業式後に教えてもらった連絡先に一番に電話した。
「よく頑張ったな」
待ち合わせの駅に着き
駆け寄ると ポンと頭に手を置いて褒められた。
『あ、ありがとうございます』
行くぞ、と手を引かれ
思わず『先生、待って…!』っと言ってしまう。
くるっと踵を返し口を軽く塞がれ
「もう先生じゃないだろ」
変に勘違いされて
お前と一緒にいられなくなるのは困る、とかぶつぶつ言っていた。
『か、笠松さん?』
ぎこちない呼び方に
二人して固まる。
「先生以外なら何でもいいぞ…遥」
ほら、と改めて手を繋ぎ
歩き始めた。
_