兵長のお姫様
□出会い
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ナナとの出会いは今でも鮮明に覚えている。
エルヴィンに連れられ入団した俺に周囲は様々な視線を向けた。
妬む者、尊敬する者、気に入られようとする者。
そんな中 ラインという奴は違っていた。
戦闘能力も高く、人望が厚い奴で
俺に対しても訓練兵からの知り合いかのように接してきた。
生活にも慣れ、ラインとも言葉を交わすようになった頃…
「リヴァイ、見てくれ」
ラインに一人の少女の肖像画を見せられた。
「ナナっていうんだ。血の繋がりはないんだが、大切な妹だ」
数カ月しか一緒にいないが今まで見たことのない
本当に穏やかな顔で話していた。
美しい少女だった。
「お前に似ている」
そう一言呟くと ラインは
「ありがとうな」
と笑顔を見せた。
それが交わした最後の言葉だった。
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