青春応援歌〜オルタナティブエンズ〜

□5球目
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今日の練習は無事に終わり、夕食も終えた後、マネージャーで集まり、ちょっとしたミーティングをする。

…とは言っても明日のスケジュールを大まかに相談するくらいなので、すぐに終わる。


そしてそれが終われば、やはり年頃の女の子。
勿論ガールズトークが始まる。


「皆さん、最近どうなんです?」

春奈ちゃんが興味津々に問いかける。

「…どうって…何が?」

冬花ちゃんが頭にハテナを浮かべて聞く。

「恋愛ですよ!!れ・ん・あ・いっ!!」

『つまり、恋してるかってこと?』

「そーです!!特に私、ズバリ花さんのお話が聞きたいんですっ!!」

『…はい?』

「単刀直入に言うと、半田さんとは上手くいってるんですかっ!?」

『はいいいいい!?!?』

春奈ちゃんの突拍子もない言葉に思わず叫ぶ。

『な…何でそう思うの?』

「だってだって!!マネージャーになる前からよく試合観に来てましたよね!?試合後よく二人で仲良さそうにしてるの見かけました!!」

『それっ!!誤解だから誤解だからっ!!』

ビックリして慌てて否定する。




「半田さんて、どんな方なんですか?」

真一とは関わりが少ないであろう冬花ちゃんが尋ねる。

「半田くんはね、初期からの雷門中2年のサッカー部員で、円堂くんが言ってたように花ちゃんの幼なじみなの。日本代表には選ばれなかったけれど、雷門中サッカー部を支えてきた一人なのよ。」

秋ちゃんが冬花ちゃんに素晴らしくわかりやすい説明をする。


…が、春奈ちゃんの誤解が解けるのとは全くもって関係はない。


「まーたまた花さんってば否定しちゃってえー!!隠さなくったっていいじゃないですかーっ!!」



うん、完璧に彼女は勘違いをしてる。

『…まあ、真一はよくちょっかい出してきたり、つっかかってきたりするけど、一緒にふざけたり何だかんだで仲良いしそこは認める。…でもそれとこれとは…』


と、あたしが素晴らしくわかりやすい誤解の解き方をしようとした時、冬花ちゃんが口を開く。





「あれ…?でも、花さんは基山さんと付き合ってるんじゃないんですか…?」






『「「えええええーっ!?!?!?」」』





一同、最早あたしも含め驚きです。

だってヒロトは今日出会ったばっかりですよ…?






「冬花さん!!それは一体どういうことなんですかっ!?詳しくお願いしますっ」

春奈ちゃんがどこに仕舞ってあったのかサッとメモ帳とペンを取り出す。

「だって今日の夕方、私が外にお父さんを探しに出た時、基山さんと二人で仲良さげにサッカーの練習してたのを見かけたから…」



あらまー。
冬花ちゃん…偶然見てたのね…。


『冬花ちゃん、それは…』

「花さんっ!!!!!!!」




おお…


…春奈ちゃんの目がいつになくヤバい。






マジだ。




冬花ちゃん、悪気はないだろうけどさりげなくとんでもない爆弾を落としたわね…

とりあえずここはこの場から逃げた方が良さそうだ。



…よし。



『…あ、あたしちょっとグラウンドに忘れ物してきちゃったみたいーっ!!ちょっと取りに行ってくるねっ!!』


「あっ!!待ってくださいよ花さん!!」





あたしは春奈ちゃんの呼び掛けをよそにその場を疾風の如く走り去った。

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