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□また来たぞ敵
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「…さて、じゃあこれにて護衛の任は解かれる…と。
レオ、あなたはこの先どこか行くところは?」
城下町、とあるメシ屋での事。
ようやっと領主の依頼を終え、一服ついてのご飯タイム。
私は、気になっていた事をレオにぶつけた。
「……その事なんだがな、一つ提案がある。」
「提案?どんな?」
レオは真面目な顔して、ステーキをパクり。
「俺、お前さんの護衛を続ける事にするよ。」
「え?なんで?レオあなた…シークレット・ソードを探してるんじゃ無いの?」
「まあ、そうだが…憧れであった女魔導師、フローライト=クラワイドクラワルドが目の前にいるんだ。
そう簡単に逃してたまるものか!」
ぎゅうっ!
と…レオは私の手を握りながら力説し始める。
「そもそもだ、俺の探してるシークレット・ソードは、世界各地に散らばっている可能性が高い。
それに、一人の旅は…とても楽しいものではない。
そして、女の一人旅を補佐するのも傭兵である俺の役目であるから…」
「うん!うん!解ったから!だから取り敢えず手を離そうか!」
「…あ、悪い。」
ぱっ!と、レオは握ったままになっている私の手を離した。
…言っとくけど、私達がいるのはタダのどこにでもあるメシ屋だからね?周りに人がたくさんな訳ですよね。
「…だから、あんたの旅に同行しちゃいかんだろうか…」
「…ん〜、私は別に構わないけど…私と一緒にいる以上は、余計な厄介事を背負い込む事になっちゃうよ?
ほら、私魔導師だしさ?街でも街道でも山でも谷でも川でも海でも…山賊とか盗賊とか、しいて言うなら魔物とか。
レオがシークレット・ソードを探す手前、その旅の途中で死に至る…てな事もあるんだよ?
…それでも、私と来たいと思う?」
「思う!」
「即っ答だなオイ!?」
レオは、目を輝かせながら私を見る。
…そりゃさ、レオの剣の腕は目を見張るとこがあるけど。
それに、精霊魔法使えるみたいだし…うん、それなら別に自分の身は自分で守れるよね?
それにまあ…そろそろ一人旅も飽きて来たし。
「いいよ。じゃあ、一緒に行こっか、レオ」
「よろしくな、フロー!」
私達は互いに手を組み、微笑んだ。
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