蒼天の光

□蒼天の光:3話
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『部活荒らしに来た1年の志摩や!!』








自分はいまとてつもなく青い顔をしている





アホかお前は!!ホンマそこらへん金兄に似たなおい!!



と心の中でツッコミをいれた







部活見学期間に"部活荒らし"に来たってなんですかそれは


しかも"志摩や"なんて言うたら俺も誤解されるやん!!

メンドいこと嫌いなんに!!どうしてくれるんや蒼威!!






気がつくと仁王立ちしている蒼威の前に背の高い男が立ちはだかる


顔はニコニコと笑顔だ


作った笑顔だが




「僕が男子バスケ部部長の緒方です」


『一年の志摩や。部活荒らしに来たで』


「部活荒らしですか。何のために?」


『金稼ぎ』


「金稼ぎ?どのようにして…?」


『ゴチャゴチャうっさいねん。メンドー事は嫌いなんやウチ。せやからはよウチと試合やろーや。1対5でええで』


「ハッ…それは本気ですか?1対5?僕達を馬鹿にしているんですか?」


『おーう。しとるしとる。ほな、さっさと試合しよーや。なんやそれとも一年坊主に負けるんが怖いんか?』


厭味ったらしく挑発する蒼威


そしてそれに乗るバスケ部部長


「いい度胸じゃないですか…正十字学園バスケ部に喧嘩を売るなんて……受けて立ってやろうじゃないか」


『おーきに♪』















そして試合が始まった




蒼威は相変わらず制服を着たまま






「うわ…ホンマアイツ何者なん…?あれで俺の姉なんかな…」





何度もシュートを決めていく


そして相手がシュートをしてゴールに入りそうになったのを飛び跳ねてボールをすくってしまう



「志摩君がんばって!!!」


女の子たちは高い声をあげながら応援する






「………(志摩"君"て…あいつ女やぞ)」




170ある身長 
抜群の運動センス
整った顔立ち
柔兄似のさわやかな笑顔


それに今はブレザーを着ているから体のラインが見えない


まあ男と間違えられてもおかしくない



「ホンマはむっちゃ美人なんやけどなぁ…(まあ本人には言えんけどな……)おぉ!!」








ここでダンクシュート決める!!
それと同時に試合終了の笛が鳴る




そしてバスケ部員は悔しそうな顔で地団太を踏む


部長は蒼威と握手をしながら何かを話してる


蒼威はニコニコと笑いながらそれにこたえている




「ええなぁ………(って何がええねん?!別にうらやましいとか思ってへんで!!)」



なんて一人で焦っとったら…



『れーんぞー?』



気がつくと目の前におる



「あっ……蒼!!」


『廉造見に来とったんか〜』


「志摩君その人だぁれ?」

と女の子たちが蒼威に尋ねる



『双子の弟や』


「うっそー!!?似てない!!」


『似てへんけど双子やで。廉造いうんや』


「へぇ〜廉造君かぁ。志摩君とは違うかっこよさだね!」






かっこいい言われた!!




女の子にかっこいい言われるんわ幸せや
蒼威のそばにおったら彼女もできやすくなるかもしれんな〜














『ウチらダブル志摩さかい、ウチの事は蒼って呼んだってや』


「うん!蒼君と廉造君ね!!」


『せや!』←キラースマイル☆


「キャー!!」




『そんな叫ばんといて…ウチそんなにおっかない顔しとるん??』


「(キラースマイルに気付いてへん!!?)」


「違うよ!蒼君カッコいいから!!」


『ホンマ??かっこええのウチ?そらうれしいな〜。廉造、ウチらかっこええんやと!!イケメンツインズやな!!』

と笑顔を向けてくる



あうっ…そのさわやかな笑顔はけがれた俺にはいささか眩しすぎんねや…





「蒼君次は何部行くの??」


『ん〜…せやな、サッカーとバスケ行って…卓球とテニスとバレー行ったしなぁ…』


「もうそんなに行ったんかお前ぇぇえ?!」


『そらウチは廉と違おて早起きさかい!!』


「あーそーですか…」


『後はまだボクシング部行ってへんなぁ…柔道、剣道、弓道……』


「えー!!蒼君が柔道とか似合わなーい!!」


またしても女の子たちが騒ぎだす


「蒼君はさわやかなスポーツが似合うって絶対!!テニスとかね!!」


『テニスかぁ…テニスも好きやけど…松岡修造になる気はないしなぁ…それに金稼ぎのためやさかい。部活に入る気はない』






また言った



"金稼ぎ"





『今日はこれくらいにしとくわ。目ぇつけられたらかなわんしなぁ。』


「えー…もっと蒼君の事見たいのに」


『ほんまー?そんなにスポーツ見たいんか!皆ええやっちゃな!!ウチもスポーツ観戦好きやで!』






蒼、話しずれとる


スポーツ観戦やのうて蒼威観戦したいんや皆





『明日は朝一番に弓道部行ったるわ。』


「じゃあその時見に行くね!!」

「応援するからね!!」


『おん!ほな廉造、コンビニいってハーゲンダッツ買え』


「はぁ?!何言うてんのお前」


『入学式の日のお前はウチを置いてった。その罰や』


「なっ……あれ覚えてたんか」


『っちゅうわけでコンビニ行くえ!ほな皆さん、また会いましょー』


ギャラリー達に手を振り、俺の腕をがっしりとつかんで引きずる



女のくせにどこにこないな力もってんねん
ホンマどこの星の人?
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