蒼天の光

□蒼天の光:3話
1ページ/5ページ

*廉造視点でスタート







塾もなく…学校もない……







「土曜日来たで!!」



と、寮の自室でガッツポーズをとる


「なんですの志摩さん…こない朝早く」


ベットから出てきて目をこする子猫さん


朝早くはないな
もう9時半



「やて今日は土曜日やで?!塾もがっこうもあらへん!!」


「女の子とデートですか?」


「ん〜今日はちゃいますねん。学校始って初めての休日にさっそくデートとかきっと先輩方に目ぇつけられてまうよ。俺そないメンドーなことはいややねん」


「そうですか…」


「っちゅうわけで部活見学してくるわ」


「へぇ?!僕ら塾があるから部活はいれませんぇ?!」


「ちゃいますよー子猫さん。部活見学に着てる女の子見に行くんどす。サッカー部とかやったらおるやろ、男子見に来た女子が」


「あ、そーゆーことですか…まあ頑張ってください」


「おん!じゃあ行ってきます!!」













とドアを開けてると目の前を男子が二人通り過ぎる



「スッゴイのが来てるんだぜ!!見なきゃ損だ!!」



とか言いながら通り過ぎて行った




「凄いのって…女の子やったらみに行くんやけどなぁ〜…」







頭をかきながら歩き出す




































しばらく歩くとグラウンドが見えた




土日も新入生のために部活動見学期間が設けられている


普段は塾に行ってて見れないが土日は違う




「かわいい女の子いるやろか〜」





グラウンドに凄い人だかり


女の子もおるけど男もぎょーさんおる


なんや、凄いサッカー少年でも来たんか??
そらやばいなぁ…女の子もってかれてまうなぁ







なんて思いながらグラウンドの人だかりに近づくと…





「キャーカッコイイ!!がんばってー!!」



なんて女の子が黄色い声を上げる




なんやそないにイケメンな男か…


どれ面拝んでやろか



と思い前の方に行くとグラウンドには12人いる




しかも試合をしている模様




「あれ……?サッカーって11人対11人やなかったっけ??」


と首をかしげると


「それがすごいんですよ。一人制服着てる人いるでしょ?あの人"部活荒らしです"って言ってサッカー部のみなさんに試合申し込んだんですよ。11対1で試合やろうって」



と、隣にいる男子が説明をしてくれた



「何それ…アホやなぁ…」

自分の兄貴みたいだなんて思った




「それがすごいんですよ。一人で攻めも守りもやって…ゴールも決めて今4−0です」



「4−0?!一人で4点入れたんか?!しかも制服で?!どないなやつや」








よく見ようとすると後ろからまたしても女の子の高い声が上がる



「頑張ってー!!」

「かっこいいー!!」


なんて声援を受けている



「キャー!!こっち来た!!」




制服は敵から逃げるためにこちら側に走ってきた









あれ…?




髪の毛…





青………





青い………?











「志摩君がんばってー!!」






「やっぱりかぁ!!!」








蒼威やった













どないなイケメンか思とったらまさかの蒼威やったっちゅう


しかもなんや志摩君て…あいつ女やぞ?!






そして蒼威がいとも簡単にゴールを奪う



すると審判役の生徒が笛を吹きゲームセット






グラウンドの真ん中で握手する蒼威とサッカー部員





そして挨拶を終えてこちらに戻ってくる




「志摩君すごかったねー!!」


「かっこよかったよー!!」


なんて女の子達が蒼威に近づく




『応援してくれたんありがとなぁ』


ニカッとさわやかな笑顔で笑えば女の子は目をハートにして顔を赤くして……



うらやましい



そして男子からは
「志摩すげーじゃん!!」


「かーっこいい!!」


「サッカー部はいるの??」


なんて声が上がる。



『いや、ただの見学や。入らへんよ』

と、またあのさわやかな笑顔を向ける


あれは柔兄譲りやな…






『んじゃ、次バスケ部行くさかい、またなー皆』


と言い手を振ってその場から離れる




が、皆蒼威の後をついて行く




バスケ部での活躍を見たいんだろう。

一人で11人相手にサッカーやるアホだ


きっとバスケも強いんだろうと皆思ってるに違いない




「…アイツってどこの星の人なんやろか…」


なんてつぶやきながら結局自分も蒼威が向った体育館の方へと行く
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ