赤の祓魔師
□赤の祓魔師・8
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理事長室に戻るとアマイモンとイブリースが互いの顔ってか頬を引っ張り合っていた
「はられおんあろぉ!!」
「おっいおおああいれうああい」
『………;』
多分イブリースが[離せコノヤロウ]
アマイモンが[そっちこそ離してください]
的なことを言ってるんだと思う
『何やってんの?』
「「あ、ノア」」
二人ともパッと手を離して駆けよってくる
「聞いてくれよアマイモン酷いんだぜ!"散らかしたのはイブ兄様だから掃除全部一人でやってください"なんて言うんだぜ!!」
「自業自得でしょう。散らかしたのは本当に兄様なんですから」
「俺一人じゃできないよー!掃除したことないし」
「僕なんてしょっちゅうやらされてますけどね」
『それはアマイモンが窓ガラスや壁を壊して入ってくるからだよ;;』
「それもそうですね……」
『でしょ?まあとにかく、部屋掃除しちまおう!!でも3人じゃ足りねーかな……もう一人呼ぶか』
「「??」」
『グラス、出てきてくれ』
左手の刻印に話しかける
すると刻印から金色の光があふれて美少年が飛び出す
【お呼びですかノア様?】
「……セーレ?」
とアマイモン
【……アマイモン様】
『え?何??二人は知り合い?』
「お前どうしてここにいるんですか?しばらく虚無界を留守にするからその間はお前たちに任せると言ったはずですが?」
ノアを無視しセーレ…もといグラスに攻めよるアマイモン
【僕はこのノア様に呼び出されたのです。】
「お前は人には仕えないはずじゃなかったのですか?もともと…上級以上の悪魔は人には仕えない」
【ノア様は特別ですから。それに僕はセーレじゃありません。今はノア様にお仕えする身。ノア様に頂いた"グラス"という名が僕の名前です】
「本当なんですかノア?」
『え、うん。魔法円・印章術の授業で呼びだして、契約したんだよ。ホラこれ』
そう言って左手の刻印を見せる
「確かに……これはセーレの……」
【セーレではなくグラスです】
「はいはいわかりました………で、アスモデウスとガープは?」
【ちゃんと許可は得ましたよ。アスモデウスはちょっと怒ってましたけど】
とクスクスと笑いながらしゃべるグラス
『とりあえず説明してくれないか?お前らの関係を』
「スイマセン。セーレ…まあノアがグラスと名付けたんならグラスと呼びます。彼は僕の眷族です。僕の直属の部下にあたります。僕が王様なのでグラスは臣下?ってとこでしょうか」
『そうなんだ』
【僕のほかに二人の臣下、アスモデウスとガープっていう悪魔がいます。僕ら3人の中でアスモデウスはリーダー的存在です。まあ僕が一番下っ端でしょうね】
『へぇ〜…そんなに部下がいるんだ。さすが王様だな』
【で、呼び出したわけはなんでしょう?この部屋に祓うべき悪魔は見当たりませんが?】
『なあグラスよ…この部屋を見てどう思う?』
【…う〜ん……焦げくさいのと汚い】
『実はね…イブリースがこんなに汚くしたんだ』
【はぁ…また暴れたんですかイブリース様】
「兄上が悪いんだよ!!オレのこと虚無界に返そうとするから」
『とにかく!!グラスに出てきてもらったのは掃除を手伝ってほしいからなんだ!!』
【掃除ですか。はいわかりました。じゃあ】
パチンと指を鳴らすと部屋はあっという間に元通り
『うへっ?!すげぇ一瞬じゃん!!すごいなグラスどうやったの?!』
【僕はマスターの望みをかなえる悪魔なので。これくらい簡単です】
『すごいねーグラス!!』
【いえいえ、それほどでもありませんよ】
「…………」
ちょっと不機嫌気味のアマイモン
『アマイモン?』
「(また厄介なのが増えました…)」
『アマイモンどうしたの?』
「…いえ、なんでもありません。」
「ねーねー部屋もきれいになったし遊ばない?ノア」
と抱きついてくるイブリース
「(なんでノアに抱きつくんですか……しかも呼び捨てして………)」
がりがりと爪を噛むアマイモン
『はいはいわかった遊ぶから離れてくれ。アマイモン爪かまない!!』
【なんかノア様ってお母さんみたいですね】
『やめてくれ!!』