赤の祓魔師

□赤の祓魔師・4
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『どうしたんだ?』


「…は?」


『泣きそうな顔してる』


「………」


『泣かないで…』


「………家族が殺されるというのに泣かないなんておかしいじゃないですか…」


『よく言うよ、言うこと聞かない弟をすぐ殺そうとするくせに』


「それは…父上があいつのしつけをちゃんとしてくれなかったから…」


『大丈夫よ…あの子は立派な子だよ…それに…………立派な父親にもなれるさ』


「なっ?!父親って……」


『うん……できたんだ』


「そうですか……」


『でもこの子は生まれない…明日、死んでしまう』


「なぜ貴女は子供を作っておきながら死を選ぶのですか?!子供のために生きようとは思わないのですか?!…………アイツのために生きようとはしないのですか…」


『誰かが罪を背負わなきゃいけない。じゃないと兄弟皆や父上にも迷惑がかかる…もとはと言えばアタシが悪いんだ。愚かで無知で…詰めが甘くてさ…』


「だからって……せめておなかの子を産んでから…」


『迷惑はかけたくないの…それに…アタシのことは忘れてほしい。この子がいたら嫌でも忘れられない…』


「………私は忘れたくはない」


『悲しい思いをするくらいなら忘れてほしいよ。それに、アタシの代わりはもういる。これで均衡は崩れない』


「…その貴方の代わりとなる者が貴方を陥れた張本人なのに…」


『わかってるよ。わかってる兄上。だからアタシは宣言したんだ。【アタシはお前を赦さない】…と…………大丈夫だよ兄上。いずれ会えます。そうだね……物質界なんてどうかな?』

「………え?」


『ほら兄上、時間だよ。もう面会も終わり…………明日、処刑場で会おう……』


「私も………」


『え…?』


「私も貴女を愛していた」






























『ありがとう兄上』













































































『でもアタシにはあの子しかいないの』

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