混合
□光を失う大空
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ドカッ
バキッ
賑わう町の商店街の裏側、路地裏で殴られている鈍い音が響き渡っていた。
「……くっ……がっ」
「てめぇ、いい加減にしろよ。麗奈さんに手を挙げるなんて上等じゃねーか」
「麗奈を殴るなんて最低なのな」
「ち、がう。オ、レは……やっ、て……っ。……ァ……!」
一人の少年を不良らしき人物が取り囲んで殴っていたのだ。
少年は殴られ蹴られ、最後には身を守るように小さく丸まるしかなかった。
「嘘つくんじゃねーよっ! 麗奈さんの傷が証拠だろーが!」
ドカッ
「ガハッ……う……っ!」
銀髪緑目のまさに不良と云う表現のあう少年が、丸くなり少しでもと防御している少年を容赦無く蹴りつける。
すると銀髪の少年…獄寺隼人の隣にいた黒髪黒目の少年…山本武が獄寺に蹴られている少年…沢田綱吉の髪を掴み、顔を上げさせる。
「っ……! や、まも、と……」
「今日はこれだけで勘弁してやるのな。だけど次、麗奈を傷付けたら容赦しねー」
掴んだ髪を勢いよく離した。綱吉の頭は勢いがつき、後ろの壁にぶつかった。
「痛っ……!」
そして獄寺達はボロボロの綱吉を置いてその場を去って行く。
(どうして……)
綱吉は疑問を頭に浮かべ、痛む体を鞭打ち引きずるようにして帰路につく。
天茅麗奈が並盛に現れてから、高校に転入してきてから綱吉に対する虐めが発生した。
(どうしてみんな信じてくれないんだよ……っ)
ぼーっと歩いているうちに綱吉は家についた。