導きの光
□第6夜 アレン入団
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*アリシア視点*
私が教団に帰還して十日。
……未だにアレンが来ていないのはどういうことだろうか。
「また迷子になってる、とか?」
有り得る。
十分に有り得ることなので、苦笑いしか出来ない。
「まあ、コムイさんとリナリーには伝えたし……大丈夫でしょ」
それよりも、さっき任務から戻ったばかりだから眠い。
自室のベッドに、うつ伏せにダイブする。
あ〜、あったかい。
眠りの世界へ直行しかけた時
「こいつアウトォォオオ!!!」
「…………」
教団の門番であるアレスティーナ=ドロエ=ギョナサン=P=ルーボーソン=ギア=アマデウス5号の声によって強制的に目覚めさせられた。
私は正直言って、眠りを妨げられるのは嫌いだ。
アレスティーナ(略)……どうしてくれようか。
「こいつバグだ!
額のペンタクルに呪われてやがる!アウトだアウト!!
ペンタクルはアクマの印(マーク)!!
こいつ、奴等の…千年伯爵の仲間(カモ)だー!!!」
……オイ待てやコラ。
今ボソッと「カモ」って言ったよね。
確実じゃないのに、そんな絶叫で私を起こしたのかよ。
アレスティーナに対する殺意が部屋を満たした時、聞こえてきた誰かの声。
「僕は人間です!確かにチョット呪われてますけど、立派な人間ですよ!!」
……あれ、この声聞き覚えがあるな。
私は部屋の窓から、今騒いでいる門前を見下ろす。
辛うじて認識出来る白い髪と……それに対峙している黒髪ポニーテール。
「……やべっ」
あれ神田じゃん。アレン死ぬんじゃない?
コムイさんとリナリー、何故止めないの!?
とにかく、アレンを助けよう。
そう思った私は、躊躇うことなく部屋の窓から飛び降りた。
……皆は真似しちゃダメだよ!
壁の出っ張りやら樹やらを足場にして、私は神田とアレンの間に着地する。
「っ!
アリシア、何のマネだ!?」
神田はアレンに刺そうとしていた対アクマ武器『六幻』を止め、私を睨んだ。
あのままだったら、私に刺さってたね……。怖っ!!
……って、そんなことを言ってる場合じゃないな。