L.S
□痛くないよ、君がいるなら
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「おはよう御座います光君、馨君」
「「オッハヨーヒメ達!」」
いつも通り、僕らは一緒に学校に来て。
僕は少しだけ馨から距離をとって離れてみた。
勿論馨は追い掛けてくるコトも無くて
僕を眼で追う様なコトも無くて
ただ呆然と何処かを見つめてた
誰か話しかければ愛想笑い
嘘の笑顔で遠巻きに遠ざける
やっぱり、馨って────
「……つまんない、」
その呟き
やっぱり
馨はそうなんだ
「馨…」
「ぁ、光。何処いって───」
「馨は…まだ狭い箱の中なんだね」
「───え…??」
ワケがわからない、と言う顔をして
馨は座った侭で僕を見上げた
その瞳はもう冷たくはなかったけど
僕の眼はもう誤魔化せないよ
「馨は…中学までの僕だ───世界は自分だけで、周りなんてどうでも良くて…常に面白いゲームないかなって…探してる…」
僕がそうだったように
でもやっぱり馨だからそれなりに周りとも付き合えてるケド
近付かないで、って
関わらないで、って
笑ってない瞳が言ってるんだ
「…僕は殿たちのお陰でまだマシな性格になれた、馨も────」
「どうしろって言うの……?」
「え…」
「それで僕にどうしろって言うの…?僕にはっ、僕には殿みたいな人もハルヒみたいな人も…ホスト部みたいな環境も…無かったのにっ…!!これ以上どんな生き方があるの!?」
「か、かおる…??」
「光の言ってるコトわかんないよ…!僕は……僕はどうしたら…居場所が出来るのッ…────!」
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