L.S
□痛くないよ、君がいるなら
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「…でも馨の事心配なんだろうなあ、やっぱ。」
今の状況的に
伯父さんに子供が産まれて、前社長の血を引いてるのは現社長で…その子供が今産まれたからって事で…
だから跡継ぎにもらった馨はどうしようかって話で
でも馨は前社長の『子供』だったワケだし、今更変更するワケにいかないんじゃないの??
だったら僕等が離されてた間の期間はなんだったんだよって事になるし…。
そんな状況馨にだってわかってるからいい思いはしてないだろうしなあ。
きっと今の電話は、馨を心配してる伯父さんからの電話だな
────ガチャッ
「……あれ??光、寝ちゃった?」
「んぁー寝てない寝てナイ、ちょっと考え事してたダケ」
「ふぅん??」
仰向けでベッドに寝転がっていた僕を見て、馨は首を傾げるとベッドに腰かけた。
石鹸のいいにおい
あったかい空気
髪を拭く馨の仕草
こうして見るとやっぱり思うのは
なんで馨ってこんなに色っぽいんだろう、ってコト
「…??何光、どうかした?」
「いっ、いや…なんでもないっ!//」
「はあ??だって顔赤…もしかして熱??風邪ひいたの??光」
「違うっ、そうじゃなくて…いやなんでもないカラッ」
危ない危ない…
実の弟に何赤くなってんだ僕!
僕としてはお風呂あがってきてもちゃんと服着てて欲しいんだけどなぁ…いや着てるけど!
だって馨ってばお風呂上がりはバスローブだよ!?(僕もだけど)
寝る時はノースリーブのシャツに太股くらいまでの短パンだし…
無防備すぎ!!
そんなとこ僕以外の誰かが見たらどうすんだよ…兄ちゃん心配だっての。
「……──あ、そだ馨。木乃宮って人から電話きてたぞ??」
「え……?」
「いやだってお前携帯、忘れてっただろ??」
馨の、髪を拭く手が、止まった
「…電話、出た…の?」
心なしか震えてる馨の声
嬉しい…てコトかなこの反応
「出るわけないジャンか、ディスプレイに出てたのー。ねえ、木乃宮の伯父さんて名前何??」
なんでそこまで携帯気にするんだろ
僕ってそこまで信用無いのかなあ…
まあ無理もないケドネ??
まだ実質出会ってから1週間しかたってないワケだし
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