L.S
□痛くないよ、君がいるなら
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一緒、だけど……着替えの時とか勉強する時とかは別じゃないとって馨が言うから、部屋は一応各自あるんだケドネ。
「んー…一気に暇なんデスケド…」
風呂も別々。
別に男同士だしいいじゃんって思うんだケド……まあ馨が言うんだからしょーがない。
僕って意外にブラコンなのかも。
だってサ!!
馨は滅茶苦茶可愛いんだよ!?
部活中も、演技だってわかっててもついついたまあに「マジ可愛い」とか思う時あるし…!
いやだからって僕はナルシストじゃないからな!?
あくまでも馨が可愛いって思ってるだけで………
────ヴー…ヴー…ヴー…
「おわっ……────??あ、馨携帯置いてった…てかしまい忘れたワケネι」
いつも携帯はしまってくもんなあ
何処に行くにしても
身の周りか…僕の目につかない所
僕は彼氏じゃないんだからいちいち携帯チェックなんかしないっての。
それとも何??“小さいお子様の手に触れない所に置いてください”なアレのつもり??
どっちでもいいケドさあ…
離れてても買ってる携帯一緒なんだからなんか笑える
「…にしても長いなあバイヴ…切っていいかー?切るよー馨ー切っていいんだなー??切るぞー………」
光るディスプレイを見た瞬間に
僕の手は止まった
“木乃宮 輝”
その名前の下には電話番号が表示されていて
それが着信だって事はすぐにわかった
「……木乃宮………なんだコレ、なんて読むんだろ……『てる』??いや…『かがや』??なんだその名前ιなんかもっと───」
────どんな時でも輝いて、皆の光になります様にって意味よ!父さんと悩みに悩んで決めたの!
いい名前でしょ、光。
「────……木乃宮…ひか、る………?ぁっ、」
そうこう悩んでる内にバイヴは切れて
留守電にもなってる様子は無かった
まあ急ぎじゃないならわざわざ馨に知らせなくてもいいかな
急ぎなら留守電いれるだろーし。
「『ひかる』かぁ…」
うわあ…なんか複雑だなソレ
馨の双子の兄貴が『光』で
馨を奪った家の誰かが『輝』
んー…この繋がりは素直に喜べないかも
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