L.S

□痛くないよ、君がいるなら
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「おーい、皆!少し集まってくれ!今日使うティーセットの確認をするぞー」


「おや?今日は苺柄のティーセットなんだねえ??可愛いねぇ崇♪」

「ああ…」


「これはもしかして…」


「ああハルヒ、気付いたのか?お察しの通り…これはお前の家の近く…徒歩約15分の雑貨店に売っていた物だ、この間広告に載っていたんだろ??」


「はあ…でも何故それを先輩が」

「嬉しいかハルヒ!!父さんはお前の鞄から出ていた広告を見て!きっとこの可愛らしい柄のティーセットが欲しいのだろうと思ってなぁっ!!
嬉しいか??嬉しいのか??嬉しいのかハルヒぃー♪」


「ちなみに自分は本のしおりがわりにしていただけです。お陰様で何処まで読んだのか全くわかりませんでした。」


「……わあああー!!鏡夜!!鏡夜鏡夜鏡夜!!!ハルヒが冷たい目で俺をー!!!」

「わかったから鼻水をなんとかしてくれないか、」










「苺柄ネー…なかなか可愛いジャン、ヒメ達は喜びそうだな馨─────…馨?」


それは、いいんだけど。
この1週間で僕は気付いた事がある



「馨、…馨!」

「……あ、ごめん光。何か言った??」

「こっち来いよ、ティーセットの確認」

「うんっ」



やっぱり…
気のせいだって思ってたけど
やっぱり気のせいじゃないみたいだ

いくら鈍いって言われたり
考えが子供とか幼稚とか言われる僕でもはっきり気付く



馨は、嫌がってるんだ

多分無意識に、関わらないでいる
沢山の人と話しても
沢山の人に話しかけられても

必ず馨は愛想笑いしかしてない


僕たちが集まって話をしていても
馨は一人、離れて
何処か遠くを見てるんだ



それが何を意味してるのか
何を示してるのか
僕にはわからなかったケド。















「「あー…お腹いっぱい」」


「…光オジサンくさい」

「馨だって…」


「「アハハハッ」」



僕等はダブルベッドに飛込むように沈んだ

この部屋は、僕と馨の部屋


馨が来たその日から
必然的に
当たり前の様に
僕と馨は同じ時間を同じに過ごすようになって

勿論寝る時も一緒。


「光、先にお風呂いい??このままじゃ僕寝ちゃいそうだからサ」

「はいはい。ドーゾーいってらっさぁい」






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