L.S

□背中合わせの愛言葉
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「…お前サ、常陸院とどういう関係?つかその前に僕とどういう関係なワケ??」




やだな。コイツと一緒にいると気分悪くなる。

なんか無茶苦茶にしてやりたくなる、


───だって朝は驚いてた癖に
今になってから全然!
気持悪いくらい僕に普通に笑いかけてきたりして…。


しかも
しかも…その笑顔に僕はただならぬ色気を感じてしまったりして。

ホントに、絶対。
コイツと居たら僕は変になる確信があった。



「……ほんとに…覚えてないんだね、」

「…は??」


消え入る様な声は僕の耳には入らなくて
強めの口調でソイツを睨めば
悲しそうに、僕に笑いかけてきた


「なんでもない、急に来てびっくりさせちゃってゴメンネ。」

「あ……いや、//」



…なんか、こう素直に謝られると調子狂う

不安そうに見てきた同じ顔の奴の視線に耐えられなくて
僕はすぐに目をそらして近くの椅子に座った

相手には勿論背を向けて




「僕は…光と一緒に産まれたんだ、双子なんだよ。僕達。」


今更信じられないかもだけどネ、と
またソイツは自重気味に笑う。

そりゃ信じられるワケない
「はいそーですか」なんて簡単に終らせられる問題じゃないし


なにより僕には、その記憶が無い



「は…?でもじゃあ…じゃあなんで僕らは離されて────」


「僕らが産まれる数年前、まだ立ち上げて間も無かった母さんの自社ブランドは他のメンズのブランド社と戦っててさ。母さんは勝ち気だったから…次々とデザインしてってお金をかけて服を作り上げた、勿論それは売れたけど、メンズの方が僅かな差で勝って。そのせいで数年間、少し堕落しかけていた常陸院を救ったのは…そのメンズのライバル社だったんだ」

「え…」



そんな話聞いた事無い

母さんのブランド社が堕落?
ライバル社が助けた?

なんだよそれ
一気に過去突き付けられたって…理解できるワケないじゃんか



「その金の代わりに何かって用意しようとしてた時産まれたのが…僕ら“双子”だった」


「…っまさか」



後ろを振り替えれば
わかるでしょ、と首を傾げて
僕らは、沈黙を交して




「そうだよ、光」








───離さないで







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