L.S
□背中合わせの愛言葉
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早く終れ
早く終れ、
だけど僕の思いも虚しく
とうとう恐れていた言葉が吐き出された────。
「…で、今日の御報告は以上です。それでは最後に転入生をご紹介致します!」
うーわ…最悪
「お入りになってくださいな」
───ガラッ
最悪
最悪最悪最悪
来たよ、僕のそっくりサン
てゆーか!!僕のパクり人間!!!
「さ、何か一言」
あーもう…うざったいのはそれだけじゃないんだよね!
さっきから
「光君とそっくりですわ!」とか
「光君がもう一人!!」とか
「ホスト部はクローンまで開発なさったのかしら」とか!!!
有り得ないだろ…、僕が
僕が……二人、なんて
「常陸院馨でーす、よろしくネー♪」
ああ…本当にコイツ、冗談きつすぎ
「常陸院??光君と同じ名字ですわ!」
「まあ本当!光君とはどういったご関係なんでしょう…」
「仲はあまりよろしくないみたいですけれど…」
…仲が良いも悪いもさ。
有り得ないんだよね、まず。
だって僕は知らない
こんな奴知らない
僕はひとりで────
「馨君のお席は…ハルヒ君の右隣ですわ、ハルヒ君の左側には光君がいらっしゃいますからすぐわかりますわよね??」
「うん、わかるわかる」
ソイツの足音が僕に向けて近付いてくる度に、
壊れたみたいに鼓動が高鳴る
息するのさえ浅くなってきて
目の前が一瞬霞んだ。
「……ねえ、」
なのに
そんなに、よくわからない存在なのに
「なんで…泣いてるの、光───」
親しげに
馴れ馴れしく話す『常陸院 馨』に
「え…」
なぜか僕は、涙が溢れた。
*********
「……なんで、お前がいるワケ」
「光ホスト部なんだってね、じゃあ僕も入るよホスト部」
「あのサー…質問に答えてくんない?」
「光がここに来るの、知ってたから」
あーもうホンットに僕は夢でも見てんのかな。
折角パクり野郎が教室からいなくなる前に人混みに紛れて抜けてきたのに
まいたと思ったのに、
ハルヒまで置き去りにしてきたのに!
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