L.S
□背中合わせの愛言葉
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背中合わせの愛言葉
「あちらにいらっしゃるのが光様??」
「違うわ!あの方はもう一人の光様よっ」
「違うわ、あれは────」
「どっちも、僕(光)なんデスケド……っ、」
ヒメ達が騒いでるのはわかってるけど。
今ヒメ達が言ってるのは全部ウソ!
此処にもう一人の僕はいません!!
居ないったら居ない!
「…なんか、大変なことになってきたね……」
「あのさあー…そう思うんだったら助けてくんない?」
「自分に助けられる訳ないでしょ…ι光のそっくりさんなんだから、光がなんとかしなよ…」
なんとかしなよって言われてもなんとも出来ないから困ってんだけど…!
あ…でも僕でさえ困ってるんだからハルヒなんかは想像もつかないか。
因みにこれは藤岡ハルヒね。
同じホスト部。まあ今は花瓶を割った借金を返す為に接客してるけど…本当は女。
それはホスト部以外触れてはいけないタブーだから、普段は男子の制服でどうにか誤魔化してるワケだけど…。
それが超大雑把なんだよね…ι
「はあ…なんで僕が二人もいるんだろ」
「ホスト部だからね、有名になれば真似する人も増えるでしょ。
あ…○ちゃんの仮装大賞みたいだね」
「は??何それ」
「いつもいつも惜しい所でメーターが上がりきらないんだよね、半分までは順調に上がるのに……あれはちょっと手に汗握る瞬間だなあ…ハハッ、見たくなってきちゃった」
「だからねえハルヒなんの話?」
庶民の間で人気のテレビ番組か?
メーターがどうのこうの、って…全く理解できないんですケド。
───ガラッ
「皆様、席にお座りくださいませ。」
いつもの様に委員長が指示を出す。
HRは大抵委員長で始まり委員長で終るこの学校。
教師が関わるのなんて授業中とか…まあその他は海外へ修学旅行へ行く日とかだけかな。
基本は全部生徒任せ。
担任はいるけどね。Cぐらいからじゃないと全然関わりがないから。
「早く終らないかなあ…」
「光…今始まったばかりでしょ、」
委員長による、今日の時間割りの説明や学園内の報告が次々とされる中
僕はそんな長いHRにもう飽きてた
まあいつもの事なんだけどネ。
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