L.S
□背中合わせの愛言葉
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───キキッ
「お待たせ致しました、いってらっしゃいませ光様」
「ん、ごくろーさま」
今日もまた、校門前に降り立てば自然と上がる女子の声。
車から続々と降りてくる女子や男子が各々挨拶を交せば、それに嬉しい悲鳴もあいまって
いつもは静寂な金持ち学校も時として賑やかになった。
「おはよう御座います、光君!」
「オハヨーヒメ達、」
あ、紹介が遅れたけど
僕は常陸院 光。
デザイナー兼自社ブランド社長の母とソフトウェア開発企業の役員である父を持って
まあ言わずとも知れたオ金持ちなワケ。
でも親は基本放任主義の楽天主義。
教育のことには一切口出さないし、ちょっと悪びれようが何しようが家に居ないから気付かない始末。
────え?
普通ならグレてるって??
あー…そのことなら
「今日もホスト部に伺いますわ!お相手をしてくださいませねっ??」
「任してーヒメたちを放っておいたりしないカラー」
その事ならダイジョーブ。
中学の時に僕は殿…あ、殿っていうのはうちの部の部長。
凄い頼りなくてすぐへこむ、どうしようもないお子サマ部長で。
からかって遊ぶと面白いけどすぐいじける…そんな変な奴に、不覚にも僕は説得されちゃった。
周りなんて全く気にせずに傷つけた女の子もいっぱい居たし
今更なんだって感じだけど
実はずっと一人でつまらなくて
何か物足りなくて
アンタならなんとかしてくれるのかよ、って、殿を怒鳴りつけた
そしたら殿は
その物足りなさを探しながら、自分を変えていけばいいだろって言ってくれて
「では楽しみにしてますわ!ご機嫌よう〜!//」
だ…だからって殿に丸め込まれたワケじゃないからなっ??
ただなんとなく、
捨てたもんじゃないかなあって、思ったから………
「あれ??おはよー……う…??」
───思ったから……
「「???おはよー」」
思ったんだけど……
「「は!!??」」
「ひ…光が二人!?」
「なんだお前!」
「そっちこそ!なんのつもり!?」
思ったはずなんだけど。
ホスト部に絡むと、毎日何かしら事件に巻き込まれるワケで
「「なんで僕がもう一人いるワケ!!??」」
今回の事件の中心は
どうやら僕、みたいデス
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