エピローグ後半

His future will be silent as snow.








その日も雪が降っていた。







雪の白さは、人々の心を洗い、

雪の冷たさは、人々に温もりを求めさせた。









一人の少年が外で雪遊びをしていた。



少年は、雪が大好きだった。

雪が降ると訪れる街の静けさが大好きだった。





まるで、世界が自分だけのものになったような気がしたのだった。







少年は、生まれる前に父を亡くし、母だけの手で育てられた。

母は、仕事で何時も忙しく、帰りも遅いことが多いため、

少年は、母と話をすることはおろか、母の姿をあまり見ることさえできなかった。



少年には、兄弟もいないし、家の近くには、年の近い子供も住んではいない。







だから、少年は何時も一人だった。



でも、決して寂しいとは口に出さなかった。







一人でいるのは嫌いじゃなかったし、一人でも雪遊びは楽しい。





さらさらの柔らかい雪を口に含んで味わってみたり、

雪だるまや雪兎を作ったり、雪の上に無数の足跡を残してみたり…。



楽しい時間は、あっという間に過ぎていく。











少年が何時ものように雪遊びをしていたある日の夕刻、

通りの向こうで、幸せそうな家族の姿を見つけた。



父と母と二人の子供。

その二人の子供は、年の近い兄弟だった。



父が兄の手を、母が弟の手を握り、さらにその間に挟まれ、手を繋いだ兄と弟。

家族は、笑いながら通りを下っていく。







その姿―特に二人の兄弟の姿から少年は、瞳を逸らすことができなかった。











羨ましかった。



とてもとても。









少年は思った。

















“自分にも兄弟がいればいいと。”

















そうしたら、雪遊びだってもっと楽しくなるだろう。



二人で協力して大きな雪だるまを作ったり、

雪玉を沢山作って投げ合ったりするんだ…。











いっぱい遊んだ後は、冷たくなった手を握り合って、言うんだ…。







































“あったかいねって…。”

























































+.:*・:゜雪は、ただ静かに降り続けていき、どんどん降り積もっていく。゜:・*:.+



















+.:*・:゜彼の願いなど知らず。゜:・*:.+





























+.:*・:゜ただただ世界を白く……。゜:・*:.+





























+.:*・:゜まるで、彼の心のように…゜:・*:.+



















+.:*・:゜穢れなき白で……゜:・*:.+



































+.:*・:゜そして…゜:・*:.+







































































+.:*・:゜世界は生まれ変われるの…?゜:・*:.+











































































































“見てごらん”

















































“世界はとても…”

































































































“綺麗だよ……”













































































“こんな綺麗な世界に”































“生まれてきたことを”







































































































“誇りに思うよ…”






















































































































“ぼくは生きていたんだね。”































































































































































ただひとりの…大切なひとのために生きていきたいと思う。













そのひとのためならば、苦しくても辛くても生きていきたいと思えるだろう。





ぼくにとっては、誰よりも大切なひとだから。



そのひとの他には、何も必要ないのだから。













そのひとが笑ってくれたら、ぼくはきっと、すごく嬉しい。







だからずっと…その笑顔を見ていたい。























“きみが生きている限りずっと、ぼくも生きていたいよ……。”























叶うなら何時までも一緒に…。







この命が尽きるまで…。







永遠とわの別れが訪れるその時まで…。

























































































何時か必ず…













































































































迎えに行くから…











































































































































待っていて……







































































































どんなに離れ離れに



































なってしまったとしても…











































































































きっと君を







































































見つけ出すから……












































































The end



゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚ ゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚゚+..+゚







タイトルは「彼の未来は雪のように静かだろう。」ですw

この小説の大きなテーマは、冒頭にも書いてある通り『生と死』でしたw





エピローグ後半は、誠の過去とモノローグで構成されていましたw

誠は、最期に自分の過去の記憶を取り戻した…という感じですw





誠と優は、普通の意味(?)で思春期真っ只中の少年っぽく、

様々な思いを胸に秘めて葛藤しながら生きていきますw



…その心情を上手く表現できたかは、分かりませんが;



今までの小説の中では、一番人間的、

というか年齢に見合った性格の主人公達だったかなと思いますw





運命カラは、決して逃れられないコトを知りながらも、

最期まで必死に生きようとしました…(∨∪∨*)



死んだら離れ離れになってしまうけれど、

生きている限りは、ずっと一緒にいるコトができる…



けれど、生まれ変わったら、大切なひとの記憶さえ、

何もかも忘れてしまうから、生まれ変わりたくないと…





そして、誠の魂は、大切なひとの記憶を抱いたまま、こ

の世をさ迷い続けるコトに…





この小説の結末は、悲しいものでしたが、

どうか何時までも誠と優のコトを忘れないで下さいm



それが二人の願いだったので…



でわ、ここまで読んで下さってありがとうございます↑↑(≧∀≦)

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