今を生きる私

□授業中に居眠りしただけです
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目が覚めたら、知らない場所にいた。


コンクリートに囲まれた、薄暗い部屋。
私はソファのようなものに仰向けになって寝ていたようだ。

どこからか冷たい空気が流れてきていると思ったら、窓が少し開いていた。
起き上がり、辺りを見回したが奥にドア、後ろに窓が一つずつあるだけだ。電気はなく、窓から漏れる明かりだけが室内を照らしている。
それにしても、天井が高い。窓もあんな高さにある。一体どうやって開け閉めするものなのかと考える。


それよりも、一体ここはどこなのだ、と思考を巡らす。



確か、私は学校にいた。アキちゃんの、英語の授業を受けていた記憶はまだ新しい。

担任でもある杉原アキ先生は、三十を過ぎても生徒からアキちゃんと親しまれている、とても可愛らしい先生だ。


しかし、アキちゃんの授業はどう頑張っても眠くなる。
一部の男子生徒はアキちゃんの授業だけ起きていたりするが、私にそんな趣味はないので、必ずと言っていい程毎回睡眠学習となり怒られる。


今日もアキちゃんの読む英文が子守唄となり、うとうとしていた。
そしていつものように寝た。


起きたらアキちゃんの顔が目の前にあって、怒られる。クラスメイトたちはまたか、と笑う。隣の席のノゾミはニヤニヤと怒られている私を見ている。「なんで起こしてくれないのよ、いつも頼んでいるのに」と毎回文句を言うのだ。そうしたらノゾミはしらんぷりをして、「アキちゃん、もう授業に戻りましょー」と言う。そして授業が再開されるのだ。



しかし、アキちゃんもノゾミもここにはいない。学校でもない。ここが一体どこなのだか全くわからない。


それに、なんだかとても疲れているようだ。寝ていたはずなのに、とても疲れることをした気がした。
足に力を入れ、立ち上がる。


自分の身体の異変に気付いた。
私は中学二年生の頃から髪を伸ばしていた。3年間で伸びた髪は腰まであり、いつも一つにまとめていた。しかし、それがない。
それに、制服が大きい。
これは体が縮んでしまったのか?


一体全体自分の身に何が起こっているのか把握出来ず、パニック状態に陥ってしまった。


その時、ドアが開き、人が入ってきた。
ピンクの髪を一つに束ねた、着物のような衣装を身に纏った女だった。


「あ、目を覚ましたかい?」


この姿、この声。私は彼女を知っている。




「マ、マチだ…」
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