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□バレンタインと言う名に便乗して
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「チョコレート頂戴」

「なんで」

「バレンタインだから」

「普通逆じゃない?」

「私達に普通なんて通用しないでしょ」

「屁理屈」

「それに、世の中には逆チョコと言うものがありましてね?」

「関係ない、バレンタインなんて」

「ケチ。ちぇー、暇だよ、買い物行こ」

「俺、仕事中だから。それにチョコ買うなら明日にしなよ」

「やっぱケチくさいわね」

「でもそうでしょ?」

「まあね」


今日は女の子の味方、バレンタインデー。

しかし、私達の間にはそんなもの必要としない。
チョコも明日買いに行けば半額で手に入るだろう。寧ろ盗んでしまう方が私達らしいが。



「ねえ、板チョコぐらいないかしら」


「さあ?…よし!書類完成!じゃあ団長に渡しに行くね」

「…いってらっしゃい」



いつも思うけど、メールじゃダメなのかしら?
あ、団長パソコン持ってなかったや。


さて、喋り相手がいなくなってしまって更に暇になった。

携帯でチョコレートの画像を物色する。
うわあ、このドライフルーツをコーティングしたチョコ美味しそう。こんなもん見てたら無性に食べたくなってくるわ。


よっこらせ、とおばあさんのように立ち上がり冷蔵庫を確かめに行く。

やっぱりあった、板チョコ。


つけっぱなしのパソコンでレシピを検索してみる。



…暇だし、作ってみるか。
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