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□バレンタインと言う名に便乗して
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「ただいまー」

玄関からシャルが声をあげる。
私はキッチンから声をあげた。


「遅かったじゃない」

「うん、まあね」


手に紙袋提げて帰ってきた。
もしかして、と勘づく。
一方シャルもキッチンでチョコレートで汚れたボールを洗っている私を見て、勘づいたようだ。

中までは入らずリビングのソファに腰を下ろした。

私はさっさと後片付けを済ませて、シャルの隣に座る。


机に置かれた紙袋をわざとらしく見つめる。次にシャルの方に目を移して首を傾げてみた。
目が合うとシャルはにっこり微笑んで、紙袋を手に取った。


「ハッピーバレンタイン?」


明日買いに行くんじゃなかったの?なんて言う程馬鹿な女じゃない。無言で立ち上がり冷蔵庫へ足を向ける。もう固まったであろうチョコレートを取り出して、皿に入ったまま手作りチョコを突き出した。


「ハッピーバレンタイン?」




便




end
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