今を生きる私
□そうか、盗賊だったんだ
3ページ/3ページ
マチとそこそこ近くのデパートでお買い物!あれ?これって、もしかしてデート?
「違う」
「マチさんつっこみが早いです。って、え?そんなカゴにぽいぽい入れちゃっていいの?」
「ああ。欲しいもんあったらどんどん入れていきな」
さ、さすが…!
生活必需品から、欲しいもの全て買い物カゴに押し込んでいった。
すぐに一通り店の中を歩いて物色し終えた。
「もういるものはないね?」
うん、と頷いた。
とりあえず、これだけでいいだろう。これだけと言ってもカゴ満杯だ。それに、もし足りなかったとしてもまた買いに行けば良い。
「よし、じゃあ帰るよ」
そう言うとマチは、レジとは反対側へ歩いていく。
「逆だよ、マチ」
「何言ってんだい?せーので走るよ」
「え?」
「せーのっ」
と同時に会計を済まさず走り出すマチ。
ちょっと、このままじゃ私が置いていかれる…!!!
マチの後を追い、必死に走った。
デパートから少し遠いところまで走り続けた。
ようやくマチに追いついて、息を切らしながら気が付いた。
そうか、蜘蛛だったんだ、と。
「さて、次は服を買いに行こうか」
違うよ、“盗みに”行くんだよ。
そう訂正する気にもならなかった。