今を生きる私
□そうか、盗賊だったんだ
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ウボォーとノブナガにこれまでの経緯を話した。
そうしたらもう、質問攻め!私の世界はどんなところなのか、この世界とどう違うのか。興味津々に聞いてくる。
その途中にマチが帰ってきて、輪に入った。たくさんの質問を浴びせられたが、彼らの物語については誰も質問しなかった。
物珍しい目で話を聞くウボォーとノブナガ。意外とマチも興味深そうに聞いている。
トリップ寸前の話(英語の授業で居眠りをしていること)を話したら、クロロもパクも笑った。
アキちゃんのことを話すと、クロロは目を輝かせて、是非会ってみたいと答える始末だ。その時マチが少し睨んだのは気のせいだと思っておこう。
いつの間にか、お酒やらおつまみやらが出ていて、宴会のようになっていた。もちろん私は呑んでませんよ!未成年ですから。
話も盛り上がり、今度は私が皆に質問をしていたのだが、だんだん眠くなってしまったので、先に寝かせてもらうことにした。
その頃には他の団員もほろ酔い加減だった。
「じゃあ私、寝るね。皆ありがとう」
今夜はマチの部屋を貸してくれるらしいので、マチも立ち上がる。
そして部屋を出ていこうと重たい足を動かそうとしたら、マチが支えてくれた。
「ルイ、最後に一つ質問だ」
酒を注ぎながらクロロは言った。
私もマチもクロロを見る。
「ここに来ての感想は?」
私は眠たい頭で答えた。
「このメンツだと、身長的な意味でクロロが小さく感じた」
皆がこっちを見ていた。目が点になっているぞ。
ふ、と笑うと皆も笑った。
クロロは不機嫌な顔をしている。
「ははっ、そりゃあウボォーがいれば小さくも見えるよなあ!」
がっはっはっと笑うノブナガ。
「このメンツではだろ?俺は別に小さい訳ではない」
「パクよりも小さい」
ボソッと呟いたら睨まれた。
「俺より小さいやつに言われる筋合はない」
少し酔っているせいか、ムキになっているクロロが可愛かった。そして、それもまた可笑しくて再び笑うと、更に顔をしかめた。
「私は女の子だから別にいいんです。クロロはパクより小さい」
「ははは、それ以上言わないでやってやれよ」
とか言いながらも、さっきから大爆笑しているウボォー。
パクもマチも笑いを堪えているようだ。
私も、もう一度笑って、おやすみを告げた。