貴女の傍
□第三章
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『失礼します。』
「来たか。」
部屋には土方と山南がいた。
「名前さん……私に用事とはなんですか?」
『山南さん……俺に左腕を見せてもらえませんか?』
「なんでお前が見る必要があるんだ。」
「別に構いませんが………」
名前は山南の左腕を見た。
『………………山南さん……大丈夫みたいだな。』
「……どういう事ですか…………」
『あぁ悪い。悪い意味じゃなくてさ、良い意味で。』
「だからそれがなんだって言ってんだよ。」
『この左腕は治る。』
「!?」
「なんだと?」
『時間はかかるが絶対治る。つか俺が治す。』
「なんでテメェが治せるんだよ。」
『俺は他の奴らよりも腕がいいんだぜ?
馬鹿にされちゃ困るな。』
「そんなモン信じられねぇに決まってんだろ。」
『駄目元でも試してみねぇか?
まぁ決めるのはあんただ。山南さん。』
「…………」
『今決めなくても良い。
決心がついた時に言ってくれればいい。』
「名前。」
出て行こうとした名前を土方は止めた。
『なんですか?』
「巡察の時は面を外せ。」