短編の章

□周助さんと菊丸さん〜お誕生日で初デート!?の巻〜
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「英二、明日空いてる?」

――――2月28日の午後、突然不二がそんな風に訊いてきた。俺は、ちょっときょっとなった。でも普通に「空いてるよ〜」と、いつもの軽い調子で答えておいた。すると不二はニコッと笑って、

「そう、なら良かった。明日ちょっとだけ付き合ってほしくて」

と淡々と言った。
――――付き合うって、いったいどこにだろう。

でも、俺は忘れていたワケじゃなかった。…だって、明日は2月29日。不二の誕生日だ。しかも俺達と違って4年に1回しか来ない誰よりも貴重な誕生日。
だから、不二が何か言ってくるだろうと薄々感づいていた。

俺は、迷うことなく「良いよん♪」と答えておく。

「じゃぁ、明日練習が終わったら僕に付いてきて」

不二は笑顔でそう言った。


――――プレゼントは、その時に買えば良いかニャ。

俺は、そう思ったのを最後に机に突っ伏したまま眠ってしまった。
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