短編の章
□バレンタイン戦争〜チョタのハートは誰のもの！？〜
1ﾍﾟｰｼﾞ/6ﾍﾟｰｼﾞ
―――２月１４日。聖バレンタインデー。本来は女子が男子にチョコレートをあげて思いを伝えると言う日だが、最近は同性同士でチョコを交換する「友チョコ」なる物が流行っている。
―――だが、彼のバレンタインは、少し違った。
―――そう。「宍戸亮」のバレンタインは…！
「よし、出来た！」
顔や手がチョコまみれの宍戸は、満足げに笑みを浮かべる。材料や調理器具が乱雑に置かれたキッチンの調理台の上には、初心者にしては立派に飾り付けられたチョコレートケーキが置かれている。
「アイツ、喜んでくれるかな…」宍戸は、そんな事を呟きながら、ケーキを可愛らしくラッピングしていく。
―――正直、今の今まで、宍戸は料理をほとんどしたことがなかった。だが、ある人の見様見真似で、この日の為に頑張ってチョコレートケーキを作ったのだ。
そう、その人は、宍戸の身近にいる……あの人。
「待ってろよ、長太郎…！」