短編の章

□Wildlife cartoon
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――不思議な動物が生息する世界「スフィア地方」。

長年研究が進められ、我々の世界に住まう動物たちが、超絶的な能力を得てスフィア地方に生きている。――人々は、彼らを「セイントビースト」と呼んだ。

セイントビーストは、スフィア地方ではペットのようなもの。自分の家で飼いならして家族のように接するのが常識なのだ。…そして、人々はセイントビーストの能力を駆使し、他のセイントビーストや悪い人間達から身を守る。…

ディレッタント自然公園。雄大な敷地に、緑に囲まれた公園。

その広い公園の遊歩道を、一人の少年が歩いている。――藍色の髪を一つに束ねた、青い目の少年だ。そして傍らに連れるのは、黒い悪魔の羽が生えたウサギ。

「あまり遠くに行くなよ、ラビ」
少年「ウルフ」は、ウサギにそう話しかけた。
「ルナティックバニー」の「ラビ」は、鼻を動かして、草の匂いを嗅いでいる。
ウルフは、ラビの背中を目で追いかけながら、ケータイを取り出した。
「来ないなァ…アイツ」ウルフはケータイを耳に当て、電話をかけるが

『只今、電話に出ることができません。ピーという音の後に……』

繋がらない。
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