読み切り夢小説

□難波潟×もろともに
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難波潟短き蘆のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや



ずるいですよ・・・・・

最後の言葉が・・・・・

あんたは生きなせぇ

なんて・・・・・

貴方が居ない
このモノクロの世界で
私に生きろと言うのですか

でも・・・

貴方の元に逝こうとも
逝けないんです

貴方が生きろと言ったから・・・

私がひっそり死んだら
貴方は
迎えに来てくれますか?




難波潟短き蘆のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや

難波潟の蘆の短い節の間のように短いひとときさえ逢わずに、この世を空しく過せと貴方は言うのですか







もろともにあわれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし



あれから

私が隊士を辞めて

もう
何年になるのだろう

私は誰にも言わず

私を知る人の居ない場所で
ひっそり生きてます

私が此処に居る事を知っているのは

貴方と昔見た
桜だけです

そろそろ

私も逝くのでしょう

貴方の迎えを
私は心待ちにして
待っています




もろともにあわれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし

私と共に懐かしんでくれ、山桜よ。私がひっそり生きていることをお前の他に誰も知らないのだから

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