剣技
□剣劇乱舞 第一話
2ページ/3ページ
――職員室内
「し、失礼しまーす……。今日から転入してくることになってます桐ケ谷ですけど……」
それなりの声で入ると、俺から一番近い教師が声をかけてきた。
「えーっと……。ああ、君がねぇ……」
「……なにか?」
「いや、なんでもない。飯島先生! 桐ケ谷さんって子、来ましたよ!」
もの言いたそうにしていた教師が、職員室に響くようにそう声をあげると、パソコンに鬼のような形相で向かっていた一人の男性教師がこちらを見た。
「ああ!? なんんじゃいこのクソ忙しいときに!?」
「だから、桐ケ谷さん来ましたよ」
夜叉が降臨したかのような形相でこちらにやってくる教師を、俺はモンスターを相手にするようだと思った。
既然とした態度を保ち、手を握りしめた。
「あー……。お前が桐ケ谷な。
……案外普通だな
まぁいい。俺がお前の担任になる飯島だ。
これからホームルームがある。さっそくだがついてこい」
「あ、はい」
・