流れ星に願いを

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陽日先生と別れて、教室へ戻る。
そのまま授業を受けて、帰宅しようとしたが…。


目の前に不良同士の喧嘩が始まっていた。仕方ないから違う道を探そうと思っていたのだけど…。


何故だか、あの鳥の巣みたいな髪型の人を助けてあげなくてはいけないと頭の隅にあった。
理由もないのに。…人とあまり関わりたくないのに…。



「…仕方ないよね。あの人具合悪そうだし」


あの人、何故だか苦しそうに見えた。
何事もなく通り過ぎるなんて罪悪感で夜も寝れなくなりそうだしね。

お人好しなのかただの馬鹿なのか。
昔からの悪い癖。


男子「強がっていた割には口ほどにもないな。」


?「っ!!」


男子「弱い癖に強気になんじゃねえよっ!!」


今にも当たりそうな拳を私は…掴む。


「…止めなよ。あんたら、カッコ悪いよ」

男子「…二人目の女子か。可愛いじゃん。」


「…調子こいてると後悔するからね?」


男子「うるさいなぁ、お前も殴られたいの?」


そう言ってもう片方の腕で私を殴ろうとしたのだけど、私は殴られる前に…背負い投げをした。

男子は勢いよく地面に打ちつけられ、痛そうにしていた。


「加減、出来ないから。まだやるつもりなら…やるよ?」


男子達は逃げていった。


?「…ありがとな。」


「別に…」


そう言って私は帰ろうとしたが


?「俺、七海哉太って言うんだ!お前は?」


「……、林。」


哉太「本当にありがとな!!」



そうして彼と別れた。
きっと彼は良い人なんだろう。そう思った。
知りたくなかった彼の名前。勢いで自分の名前を言ってしまった自分に後悔した。



彼が猫みたいなのだから悪いんだ。






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