〜魂の緒よ篇〜

□恩寵
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弥生「それに我はもう闘うことから足を洗った。他とは変わらぬただの民だ」

また子「うるさいッス!!」


また子は弥生の持つ卵の入った皿をぶち抜く。


弥生「……前言撤回だ」

また子「はっ?」

弥生「我の唯一の生きる楽しみを奪った者…どこのどいつであろうと許さぬ」


弥生の目があまりに真剣だったからか、また子は一歩引く。


また子「くたばるのは貴様の方だァァァ!!」


そう言ってまた子は銃を乱射する。

しかし…


また子「なっ…!?」


弥生はその弾を箸でつまんでは捨てる行為を繰り返していた。


弥生「貴様は…どこの回し者だ…?」

また子「晋助様だ…!!」

弥生「高杉…か。まあ大体の検討はついていたが…」

また子「っ…今日は勘弁しておいてやる!明日は覚悟するッス!!」


また子は夜に溶けていった。


弥生「高杉が…何故今になって…」


弥生は床に散らばったまだ完全にほぐれていない愛しい卵を見つめながら、不思議に思っていた。





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