〜魂の緒よ篇〜
□恩寵
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月夜。
電気がひとつつく部屋。
弥生の目の前にはなんの特徴もない机。
その机の上には醤油が一、二滴かかった生卵があり、それはまだ原型がある箸が触れていないものだ。
弥生はそれを溶きほぐし、ご飯と交互に食べるのが楽しみなのだ。
弥生「…ふう。いただきま…」
――弥生が口に運ぼうとした飯は着物にこぼれ、外から弾丸が発砲された弾が部屋のたんすに穴を開けた。
弥生「…誰だ、貴様は」
また子「拳銃使い、木島また子!」
弥生「名前など聞いてはおらぬわ…。貴様のような趣味の悪い破廉恥女などに興味はない」
金髪の髪をした派手な女(また子)は弥生に拳銃を向ける。
また子「私と一手死合うてもらうッス…!」
弥生「ふざけるな。我は食事中だ。見て分からぬか」
弥生は卵を少しだけかき混ぜながらため息をつく。