〜風そよぐ篇〜
□玲瓏
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銀時「…ったく。無駄に広ェんだよ、ここは」
弥生「全くだ」
ガンガンと蹴り飛ばしていく内に、金色の襖が目の前に立ちはだかった。
銀時「…」
弥生「…」
ふたりはお互いに目を合わせ、頷き合うと襖を今まで以上に強く蹴り飛ばした。
??「行儀の悪いカスどもめ。…また来たか、弥生」
弥生「奈落…」
そこには奈落と、その奥には仁の姿があった。
奈落「何度来ても同じだということが分からぬか。…これだから元姫君はいかん」
弥生「なっ…何故貴様がそのことを知っている!?」
奈落「さぁな…?」
弥生「吐け!!大和は最後まで口を割らなかった!我を傷つけたくないと申して!!」
奈落「ハハハッ。あやつも馬鹿な男よ。桐生家の家宝を奪いに忍びとして雇ったものの、その姫君に心奪われできぬと申した。だから桐生の城を放火し、滅ばせたのに姫君は死ななかった」
奈落は心から楽しそうに話す。