〜風そよぐ篇〜
□懸河
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蘭丸「口ほどにもないねェ、神楽ちゃん」
神楽「くっ……あんたもアル」
蘭丸「よく言うよ」
蘭丸はクスリと笑う。
神楽「残念ながら…私はあんたより強い人を知ってるアル」
蘭丸「へェ…どんな人?」
神楽「誰よりも人を愛してて…他人の為に自分を犠牲にできる人アル」
蘭丸「ふぅん。でもまあ、結局きれい事だね」
神楽は紅い唾を吐き出すと起き上がる。
神楽「あんたが言う強さも、もちろん大切アル。…けど、人間にはもっと大事なものがあるアル…」
蘭丸「分からないなぁ…」
神楽「じゃあ私はあんたに…」
「勝てる」
蘭丸「なんで?」
神楽「私には…分かるアル!」
蘭丸「じゃあ…神楽ちゃんを嘘つきにしてあげるよ」
蘭丸の目つきが一気に変わる。
蘭丸「君を……殺してあげる」