〜住の江の篇〜
□鬼気
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――一瞬の出来事だった。
弥生の無闇に振るった剣を肩にまともに受けた神威は、弥生に傘の銃口を向けた。
つまり、弥生は尻を地面につけた状態であり、それを上から神威が見下げているのだ。
神威「姫君を見下げられるとは…光栄だヨ」
弥生「チンケな優越感に浸るとは、器の小さい…」
神威「もっと自分の状況を感じたら?かなり鬼気で危機だと思うけど」
神威は目の色を変えた。
全く穏やかではない。
すると弥生は鼻で笑う。
弥生「…お兄さーんっ、瞳孔開いてますよ〜っ」
弥生の舐めた口の聞き方に神威が屈辱を受け顔を歪めたその瞬間。
弥生は隙を付いて、神威の腹に蹴りを入れ距離を取る。