〜風そよぐ篇〜
□懸河
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新八「ハァ…ぐっ…ハァ…」
薺「もう、なんなの?お姉さん本当、飽きて来ちゃったわよ」
薺は扇子を血なまぐさい部屋で不釣り合いなくらい優雅に扇ぐ。
新八「不思議です…。僕には、こんな力ないって思ってたのに…何度でも立ち上がれる」
薺「早くくたばってくれないかしら?お姉さんもこんなつまんない暇つぶしはもうたくさんなの」
薺は明らかに苛立っていた。
新八「きっと、あなたにはできない」
薺「ハッ?」
新八「きっとあなたが僕だったら、すぐに諦めてる。だって…仲間が居ないから」
薺「ふっ…仲間?そんなものがなんだって言うの?」
新八「そんなことも分からないなんて…あなたは可哀想な女(ヒト)です」
薺「何ですって!?…坊や、お姉さんを怒らせたら怖いわよ」
新八「無駄です。僕は…諦めない」
薺「……暑苦しい。殺してやる!!」
女の甲高い声が響いた。