青エク

□続 悪魔の契約
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祭壇の上でよく藤本が口にしていた誓いの言葉を真似てみた。


誰よりも彼女を愛しているのは私だ。誓いの言葉も二人が証人となるでしょう。


「健やかなる時も」



彼女が笑ってくれるなら…その笑顔を守りたい



「病める時も」



彼女が苦しむなら…その苦しみが私に伝わらなくとも…手を握って差し上げたい


「それを愛し」



彼女を世界一幸せな悪魔の花嫁にしたい



「慈しみ」



彼女を幸せに出来るのは私です。



「死が二人を分かつまで」


たとえ貴女が消えようともこの思いは消えません



「愛し続ける事を誓いって下さいますか?」



ただ彼女を愛しているのです。



「誓います」



彼女のその言葉を聞いた時に時が止まったかのように思えた。



誓いのキスをした時…彼女は私のものとなった。



照れ臭くてつい彼女をからかってしまったが…


彼女は幸せそうに笑っていた。


その日


私達は二人っきりで結婚式をあげた。



参列者もいない



祝福の言葉もない


そんな式だったが


彼女は私のものだ。


誓いの言葉など他に聞かせる意味などない。


私達が愛し合う事は


私達が知っている。


私にとってこの世で一番大切なのは彼女だけだったのです。








永遠を誓いあって数十年…

私は再び教会を訪れた


彼女を上手に愛せていたでしょうかね…


今は信じるしかない


「貴女を必ず見つけ出しますよ?」


それは彼女の葬儀だった。

永遠の愛を誓い合ったこの場所は貴女の弔いに相応しい。


さよならの言葉はいらない。


彼女と過ごせて本当に楽しかった


だから


さよならの変わりに私は誓いの言葉を捧げた。


「健やかなる時も病める時もそれを愛し慈しみ死が二人を分かつまで愛する事を誓いますか?」



最後にかけた彼女への言葉だった


どこからともなく



鈴の音のように澄んだ声で


「誓います」


と聞こえた気がした。




20111001



今回のメフィスト作品時間がかかりました〜
不安です(泣)
よろしければ感想ご意見お聞かせ下さい!


小鳥
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