青エク

□続 誓いの言葉はいらない
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※これは今日結婚します。雪男ver
「誓いの言葉はいらない」の雪男目線です。
本編をぜひご覧になってから見ていただけたらいいかと思います。

ではどうぞ!



↓↓↓↓



大好きで大好きで狂いそうなほどに愛していたから…



だから


この日が来るのをずっと待っていた。





ウェディングドレスを着た彼女はこの世で一番綺麗に見えた。


なんで手で顔を覆っているのはわからなかったけど…それさえも愛しく感じたのはもうかなり末期なのかもしれない。






覆っていた手を離すと彼女の大きな瞳は不安そうに揺れていて


恐くなった



いつも本当にほしいものは手に入らなかったから




彼女はちゃんと俺を選ぶのか不安になった。





でも今回は今までと違う。




彼女だけは譲れない。



だから彼女が望むなら…なんだってする…。





どんなに甘い言葉でも笑顔でもいくらでもあげるから僕を選んでほしかった。





けど僕のそんな不安に反して彼女は



「幸せ過ぎて怖い」


と泣いていた。



幸せ過ぎるのはきっと僕の方なんだ。



その綺麗な心も明るい笑顔も出逢った時から僕には手が届かないと思っていた。だからこそずっと独り占めしたかった。




好きだと言われるだけじゃ物足ない…それだけじゃ不安になる。



「大丈夫。絶対に世界一幸せなお嫁さんにしてみせるから…だから…いこう?」



ゆっくり差し出した手を彼女は握り返してくれた。



離す気などみじんもなかった。


祭壇へ上がるとき



どうか早く終わってほしいと願った。



一分一秒…それさえもわずらわしく感じて。



どうか彼女だけは手に入れさせてほしいと神に願った。




誓いの言葉を終えてゆっくりと近くなっていく彼女の唇。



唇が重なった瞬間に





その日僕はやっと彼女のすべてを手に入れた気がして。




情けないけど



涙がこぼれた。


20110928

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