青エク

□残すもの 続編
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※これは残すもの(青エク・メフィスト)の続編?です。本編をお読みになったほうが楽しめるかと思います!

ではどうぞ!







「貴方は可愛く可愛く産まれてくるんですよ〜」


毎日毎日繰り返される呪文はまるで変な宗教みたい…。


「いい加減に違う言葉もかけてあげてよね」


そんな今から産まれてくる我が子にプレッシャーを与えなくてもいいでしょうが。


「萌える方がいいにきまってますよ。貴方のように」
不意打ちに甘い言葉を囁くメフィストが妬ましくて

「いた…っ痛いです…」

膝の上に乗っていたメフィストの頭をフローリングにおとした。



「ひどい仕打ちですね。もっとしてくれて構いませんよ?」


「…変態…!!」

キッとにらむとメフィストはスッと立ちあがって逃げ出した。


「おやおや。妊婦を刺激するのはやめておきましょうね〜」


逃げるように部屋を出ていくメフィスト。

不安だわ…。


あんなのが父親だなんて。

自分のお腹に手をあてる。
私の生きた証。

悪魔である貴方にとって私の存在が人生のたったひとつのピースにならないように。



いずれ

私は死ぬんだから。



メフィストをこの子を残して。



「貴方は私の分身だよ。」
優しくお腹を撫でながら囁く。

私の分までたくさん甘えて愛してもらって、あの人を困らせてくれなきゃ。

振り回されるだけじゃしゃくだから。


「パパ臭くて嫌い〜。とかも言っちゃいなさいね?どんな顔するかなメフィストの奴」

思わず笑ってしまう。



「貴方が大人になるまで生きてたいな…」



難しい事ばっかり考えてつかれた。

私はごろんとソファーに寝転がって眠った。





「バカな子ですね。」


実はリビングの外で様子を見ていたメフィストは
眠る愛しい妻の髪を撫でた。


「愚かで弱くそして…美しい」

私だって貴方を失う未来が怖いんですよ?


それでも


「どうしても貴方じゃなきゃ駄目なんです。」






私は夢をみた。



私の娘がメフィストに

「パパ臭いから近寄らないで」

と言いはなって

メフィストがアワアワとご機嫌を取っている夢。



私は何か遠くからその様子を見て笑っていた。








「幸せそうな顔して。お姫様はどんな夢を見てるんでしょうね」






20110904

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