青エク
□H続 秘密
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※これは悪魔と花嫁シリーズ「秘密」のメフィストverとなっております
よろしければどうぞ!!
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運命だと思いました…
しばらく会うことのなかった彼女が心配になり…久し振りに彼女の姿を一目でも見たいと思った私が屋敷を訪れると…
聞こえてきたのはロミオとジュリエット≠ナした。
その音色を聞いた時私は自分のために彼女が弾いてくれている…そう思わざる得なくて…
気がつけば彼女の部屋のバルコニーに私はいた。
彼女に気がつかれないように身を隠してその音色に聞き惚れた。
決してうまいわけでもないですが…悲しみが滲みながらもひたすらに誰かを愛そうとする音色はまるで彼女自身のように思えた。
本当の彼女の一面に初めて触れた気がした。
「メフィストさん…っ」
その音色に夢中になっていて彼女に見つかってしまった私はすぐに立ち去ろうとしましたが…彼女が泣いていると知り…歩みを止めた。
この世の事などすべて知ったつもりでいましたし…
自分は人の思考を読み取るのは得意だと思っていましたが…
さすがの私にもどうしてそんな風に貴女が泣くのか…考えても考えてもすべてを理解する事は出来ません。
どうしたら彼女が泣き止むかもわからず…
ただ…
泣く彼女の代わりに安心させるように笑う事しか出来ませんでした。
「大丈夫ですよ?」
そんな言葉しか出来なかった。
なのに…
こんな私に
私は…メフィストさんが好き…
彼女はそう言って…
泣いた。
その言葉の意味がわからなず…私はしばし茫然と泣く彼女を見つめましたが…
胸の奥から熱い気持ちが込み上げてきて死んでしまいそうなくらいに胸が苦しくなった。
泣いている彼女の涙をぬぐいたい
震える肩を抱き締めたい
こんな私たちを遠ざける窓などすぐに壊して彼女に触れたかった。
しかし…それではまた彼女の本当の心に触れなれないのはわかっていた…
彼女は私が好きだというがやはりここからさらってほしいとも…逃げたいとも言わなかった。
彼女の気持ちはまるで難解な迷路のようで…私はもっと彼女を知りたかった。
言わずともお互いを理解するなど不可能です。
「私は貴女のすべてを知ったつもりで…貴女がどんな風に悩み苦しみ傷付いているのか聞こうとはしなかった…だから…今度はちゃんと聞きたいんです」
貴女が何を悩み苦しみ何を幸せとするのか私に教えてほしい
「私を好きだといいながらも貴女がここから出られない理由を…私は知りたい」
貴方を迷わせて縛り付けているなにかがあるなら一緒に私も悩みたいです
「貴女は子供じゃない…逃げようと思えば出来たはずなのにそれをしなかった理由を知りたい」
どうか本当の貴方を言葉にする事に怯えないでください。
「私はどんな貴女でも好きですよ」
私はたとえどんな闇を貴女が抱えていようと…支えると決めたんです。