青エク
□続 蓮華草
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※これは「春」シリーズ「蓮華草」の雪男目線となっています
ではどうぞ!!
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彼女はまるで雪解けを告げる光みたいだった…
思うように会えない日々が続いていても…彼女はすべてを笑って許してくれて…
ただいつもそこで待っていてくれる…。
忙しい日々に自分が何のために生きているのか見失いそうになっても…彼女はいつも帰ってくる場所はここだと笑っていてくれる。
その存在はまるで春みたいだった。
今朝届いた彼女からの久し振りのメール…
いつも僕に気を使ってからか…自分から連絡をしてこないはずの彼女からのメールに僕は過剰に反応して焦ってそのメールに目を通した。
彼女にはもうしばらく会っていなくて…この前会う約束をしていた時には急な任務で約束を破ってしまった…。
もし彼女に何かあったとしたら…?
もし彼女から別れようといわれたら…?
悪い想像ばかりが膨らんで胸をどす黒い感情が支配した。
でも…
彼女からのメールはそんな不吉な事ではなかった。
驚くほど短い文章…
メールには…
「そろそろ春だね」
そう書いてあった。
たったそれだけの文章…
それでもがむしゃらに何かをこなしていた僕にとってそれは…優しく甘い響きに聞こえた。
気がつかないでいたけど…僕の部屋の窓から入る風は暖かくて…満開の桜が見えていた。
彼女に…
会いたくなった。
僕は不器用で彼女をうまく愛せるかわからないし…今までだって…優しい彼女に甘えて…傷付けてきたかもしれない…
それでも…
僕は彼女と共にいたかった。
彼女の家へと向かう途中…
花屋で見かけた
ひっそりと咲く花…
レンゲソウ…
決して華やかなわけでも大きいわけでもないけど…
その花を見ていると彼女を思い出した。
花言葉は…
私の苦しみを和らげる
だった。