青エク

□B続私を染める
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夏の風が私たちに吹き荒れた。




生憎哀しい事に彼女はまだ私を特別な感情では見てくれていない…。



恋だとかそんなものをする事よりも彼女はもっと深い悩みを持っていて…
今この気持ちを伝える事は無意味に感じた。



だから



なんて嘘ですよ



私はそう言った。



今はこれで十分です。



貴女が外の世界を私に訊ねてきた…これは大きな一歩です。



私は負けず嫌いなんです…貴女に少しでも迷いがあるならば…そんな危険な勝負には出ません。



時間をかけてゆっくりゆっくり貴女を諭し…





いつかは必ず貴女の…



心も



体も



奪ってみせましょう…。




彼女を残し帰路につきながら私は小さく笑った。




この時の私は彼女が好きで…だからこそ彼女のすべてを知っているつもりになっていた。




本当は私が想像も出来ない苦しみを彼女が秘めているとも知らずに…。




ただ…私は




幻の彼女に恋をしていた。




20120316
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