青エク

□B続私を染める
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※これは悪魔と花嫁シリーズ「私を染める」のメフィストverです!




どうぞ!




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あの日月明かりの下出逢った時…



ただ彼女は悲しげでまるでその瞳に何もうつしていないかのようだった…



しかし…



「また来てくれたんですね…っ」



あの日から幾度となく彼女のもとを訪ねましたが…彼女はいつも幸せそうに笑って…



美しいヴァイオリンの音色を奏でていた。



私はその彼女の明るさが…辛かった。



あの日出逢った…誰かに助けられたいと望む彼女が本当の彼女だとしたら…彼女はそんな自分をひたすら隠して私に接している事になる…



親しくなろうと



彼女の心に触れる事は出来ない…



それがひどくもどかしくてたまらなかった。



まるでそれが…所詮違う世界を生きているんだと言われているようで…私は彼女が悲しみを圧し殺して笑う度に泣いてしまいそうになる。







世界は貴女のご両親が言うように綺麗でも優しくもない…でも私は思うんです…


おとぎ話のようにはいかない苦しく醜い世界ですが…そんな中でも誰もが美しいものを描こうとする…そんな逞しさや…健気さを私は美しいと思いますよ?



完璧なものほど退屈なものはない…



未完成だからこそ…足りないからこそ…世界が美しく見えるんです。



そう…



それはまるで貴女のように…。



誰よりも孤独なくせにそれを否定するのに必死で…本当の自分さえ見えなくなっている。



なんて美しいんでしょうか…



初めて彼女から触れられた時に気がつけば言葉は出てしまっていた。




好きだからですよ




言葉にして私は初めてこの気持ちの名前を理解した。


私は貴女が…好きなんです。



私から目を反らし…頑なに心を閉ざす彼女を救いたい。



こんなちっぽけな部屋に収まる貴女の世界を壊してしまいたい。
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