青エク

□D続 生まれ落ちた日
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※これは生まれ落ちた日のメフィストverです!
是非とも本編をお読みになってからご覧下さいませ♪




ではどうぞ!!







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聞きたくなかった。



彼女が私を好きだなんて…知りたくなかった。



私は家に急いで帰るとすぐに妻の部屋に入った。



並ぶ妻の写真を胸に抱き…深呼吸した。



たしかに彼女の言う通りに妻の亡霊に取りつかれて待ち続ける事が幸せではない事くらいわかっている。



しかし



妻を裏切るなんてできない。



彼女を選ぶ事など出来ない…っ



腕にいつも残っていた妻を抱き締めた感触は消えて…


さっき彼女を振りほどいた感触だけが残っていた。



ひどい事をした。



彼女は傷付いた目をしていた。



彼女を見ていると調子が狂う…まるでこれじゃ



「…彼女を好きみたいじゃないか…っ」



彼女を見ていると辛い。



彼女の涙を見る事が怖い。


彼女が私に対してそんな感情を抱くなら…



私が彼女を好きなら…尚更


「もう会うことなど出来ない」



たしかに妻が死んだあの日に感じた胸の痛み…



しかし



色鮮やかな記憶としては残せない事を私は悟っていた。


このまま彼女といると妻は思い出になる。



私だけが彼女を選び救われるなんて事はできない。



きっと妻は私の事を待っている。



夜のシンとした静寂の中



私はただ暗闇の中で必死に過去の思い出に幸せに浸っていた。



どこからか秋の風にのって


誰かの泣き声が聞こえた気がした。



それが妻なのか彼女なのか




私にはわからなかった。







20111113
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